2012-01-01から1年間の記事一覧

あれから

激流に呑み込まれ窒息していた拙に手を差し伸べる人たちがいた。新しい知り合いがたくさん増え、何人もの方々との縁が戻った。ご好意をたくさんいただいた。だから、 「あたしは愛されているぞー」と臆面もなく言葉を射精したくなる時もある。でも、やはりあ…

貝の印はガードつき

たぶん春だったと思う。あの痛みとはどんなもんなんだろうと思い、物理を手首にあててみた。ガードつきのモンなんて所詮深くは入らない。白く表面を引っ掻くだけだ。持つ指先にだんだん力がこもる。失愛のマークをつけようとムキになる。だらしない皮膚はや…

君はセラピールーム

すべての穴を全開にして堪える病に強靭な免疫力を持つ自分が年に二度も罹患するほど命が弱っていた頃のドン底フィールを掘り起こすのは止めておきたかったが体内脳内を浄化するには一度そんなこともしなきゃならんと思うまでに回復したら山下達郎とマライア…

セービングのシーフードヌードル

水道水をケトルに入れ、湯をわかす。ぱりぱりと透明フィルムをやぶく。やや乱暴に。 ぱく、と音を立ててケトルが合図を送る。煮え煮えの水道湯をシーフードヌードルに注ぐ。3分も待ったらクタクタになっちゃうよ。2分でいい。あのひとが置いていったカップ麺…

大事なひとつだけの恋が目の前で枯れる。

男は、一緒に育てたモンなんかがあるから離れられないんだと怒鳴り鉢を倒し中身を零した。女は、まだ生きているんだよ酷いよと泣き土を買ってきて盛り水をやり毎日声をかけた。ほとんど様子は変わらないなりにも少しずつ元気になっていったようにみえた3年…