セービングのシーフードヌードル

水道水をケトルに入れ、湯をわかす。ぱりぱりと透明フィルムをやぶく。やや乱暴に。
ぱく、と音を立ててケトルが合図を送る。煮え煮えの水道湯をシーフードヌードルに注ぐ。

3分も待ったらクタクタになっちゃうよ。2分でいい。

あのひとが置いていったカップ麺をすする。味がしない。塩気を感じない。
そもそも食欲がない。からっぽの胃袋が身をよじって欲しがるから与えるだけの、昼食。

愛のない食卓はむなしい。愛があれば即席麺でもどれだけ美味だろう。

カップヌードルならシーフードが好きだな」
以前わたしが言っていたことを憶えていてくれたのだろう。あのひとは。
でも、ここには愛なんてない。

味も食感もないただの流動食を、飢えて震える胃袋に無表情で与える。

AM12:20。