揺れぬシンメトリーな半流動体

酔うたびにキスばっかしするあなたの描くデッサンは実物とずいぶんかけ離れたフォルムであたしはそれを見るたびにどうしても苦笑いが止められずあなたに悟られないよう改札口の柱の裏に古い息をフゥと捨て去り一回まばたきしてから朝の空気を肺に入れなおすそのたび思い出すシーンは生まれ故郷の町にあった遠浅の砂浜で固く固く盛り上げてはあっけなく辻風に崩れ去る食べられないプリンの。


飲みたくないが飲まずにいられない、酒。


ざらついた夢を最近よく見てしまう。日常に少しだけアドベンチャーが混じっていることもあるし、過去と現在がシャッフルしていることもある。毎回脈絡がなく支離滅裂なのだが、何かを造形しようともがいているようなところが、似通っているようだ。


なにをしたくて、なにになりたいのか。


子供じゃあるまいし、今頃こんなことを己に問いかけているのはおかしいと思うんだけど。



砂のプリン

砂のプリン