号泣する準備なんかできるわけないじゃないか

バイオリズム急降下体温乱高下ただでさえ不安定なこんな日の帰り道・午後9時を過ぎデパ地下もサービス打ち切り警備服はニヤと笑う素顔を隠しよく磨かれたガラスドアを慇懃無礼にぴしゃりと閉じ・用もなかったがややうらめしくそこはすり抜け・先の本屋に足踏み入れればこれ見よがしな人の幸せやラップみたいに貼り付く不快な不幸フィクションの隙間に・息を飲むような表現体を見つけ。


あたしはなにもしていない。感じることさえ鈍らせる日常。ふがいなさに平和なフロアで仁王立ち・内心で号泣。


あたしはなにもしていない。準備さえ。