だから歌謡曲が好きだった。

阿久悠氏が逝去した。大きな星を見失ってしまった気分だ。ピンクレディ世代には馴染み深い作詞家。

人様のブログで、こんなものを読んだ。
http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/20070805

謡曲マニアの俳優さんが熱っぽく歌謡曲を語る。その様子に阿久悠氏が別室でコメントしていく。その中で一番印象深い言葉。

「J−POPと歌謡曲はブログと映画くらい違う。誰かが喜んでくれればいいな、誰かが興奮してくれればいいな、誰かが美しくなってくれるといいな、という願いを込めながらひとつの世界を作り上げていくっていうのが歌謡曲で、そうじゃなくて俺はこんな気持ちで悩んでるから、俺の気持ちを解れよっていうのがJ−POP」

そう、そうなんだ。拙は「ブログ」という言葉にいまだ慣れることができない。それは、やや強引なほど自己主張をする素人のボヤキばかりだと感じてしまうからだ。

「俺はオレを肯定する」的なブログ文章は、筆者そのものに共感できない限り、とてもお粗末で読めたもんじゃないってのが大部分。そんなこと偉そうにいっても、拙サイトだってそのひとつではあるのだけど。

「ブログ」でいくら有名になっても、あとあとまで残るものじゃないだろう。素人アフィリエイトの群生を見たり、したり顔のハンパ論客なんかに出会ってしまったときの激しい違和感は、氏のいうところのこれ。これがイヤだったのだと改めて気づいた。うまいこというなあ。さすがプロだなあ。