終わった恋と、はじまる恋

izumi_yu_ki2007-07-03

梅が丘「ラ・フーガス」が閉店してからもう1ヶ月。最後の営業日に買ってきたプチ・クロワッサン、冷凍して少しずつ食べていたが、それももうあと2コしか残っていない。それも明日には食べ切ってしまわないと。冷凍焼けでまずくなってしまう前に。

なくなってしまったもの、いつまでも反芻していても満腹にはならないもんね。

こないだの日曜日、新規開拓とばかりに町を歩き回ると、かなり良さげなパン屋を見つけたので、とりあえず数種類買い、いそいで家に戻って早速試食。

うーん。どうしても愛しの「フーガス」と比べるとちょっと。パリッサクッ感は薄いものの、小麦の味はちゃんと濃い。それにこちらは単価が2割がた安く、その割にはたいへんマジメで優秀なお味。うまいパン屋はそれなりに値が張るから、薄い懐にはちょいと辛かった。これからはこの店に通って、うまくて相性のいい味を見つけてみようか。

***
月曜日、しかも明日は朝イチで歯医者だってのに、残業帰りについフラフラとビアバーに寄ってしまった。いちおうハーフサイズで牽制しながら飲みはじめたが、チビチビがゴクゴクに、ゴクゴクがゴッキュゴッキュに移行するのにそれほど時間はかからなかった。嗚呼。


いぃコンコロモチで2杯目を飲み干そうとした時、カウンターの隅から「もうオレ30ですよぉオジサンじゃんなあ」という声が聞こえてきた。なんですと。30でオッサンですと?ほぉ。


そっちを見やると、その美少年風サラ髪兄さんは、遥か昔ちょっと付き合ってた男子にちょっと似ていた。話をしてみると、どうやら薄給で社員ライターとしてこき使われていて、だいぶストレスが溜まっているようだった。一見普通にニコニコ飲んではいるが、話の脈絡は怪しく、同じことを何度も話している。年上の女性にフラれたばかりで、彼女のことが忘れられないと嘆いたかと思えば、ずずっとこっちに身を寄せてきて、のたまう。


「ねえお姉さん、口説いていい?」


おそらく彼はあした、今晩のことを覚えちゃいないだろう。右手はパイントグラスを握り締め、左手はカウンターのへりを握り締めてユラついてる。ちょいとおでこを押したらバターンと後ろに倒れてそのまま眠ってしまいそうな勢い。しかし、顔は美しいし、どうやら勤勉らしい。こっちも酔った勢いでハートは半開き。さあどうする?


いや、さすがに、ほったらかして帰ってきました。そりゃそうだ、それが普通だ。そうだそうだ。妙齢乙女の恋の扉は簡単に開けちゃいけないぜ。


ケガするのは御免です。治りが遅いからさ。さすさす(胸をなでおろす)。