愛の、おすそわけ

izumi_yu_ki2007-07-02

片道一時間半。乗り物酔いを我慢しながら必死で電車を乗り継いで行き着く先は、鍵盤ハーモニカのレッスン場。フィトンチッドあふれる夏秋師匠のご自宅。

「鍵ハモ・ショルダーキーボード化計画」のため、今回は鍵ハモを分解してあれこれと検証していただいた。ストラップを取り付けるピン穴をどこにつければいいか、部品はどんなものがいいか、そして工具は。

フタあけたついでに調律までしてもらい(鍵ハモってリードを削って音程を整えられるんです)、本体をみてもらった結果、まずはエンドピンと先のとがっていないネジ(やっぱりネジは別に必要らしい)を手に入れること。先生の「メロディオンPRO」はリードとボディとの間に隙間があるので問題なく取り付けられたというが、私の安い「M37」モデルだとその隙間がほとんどなく、ネジ頭が当たるかもしれないので、腕に覚えがないと相当リスキーじゃないか、ということだった。こりゃ、PROを買わないと「ショルハモ」にはできないかも……。

相当ガッカリしたが、やはり野望は果たしたい。嬉しいことに、ネジとピンを買ったら、先生が手伝ってくださるとのこと。工具も貸していただける。よし、次の給料で楽器屋行って、今度こそ道具を揃えるゾ、と決意を新たにする。


それにしても、楽器の改造って大変だなぁ。


***
お暇するとき、先生の奥様から「庭のハーブを剪定したらすごい量になっちゃったの、もらっていってくれる?」と、大きな袋にどっさりといい匂いの枝を詰めたものを手渡された。

それはローズマリーの大きな枝。固い枝の端っこが袋のはしばしを突き破り、たいへん活きのよい文字通りのフレッシュハーブ。ありがたく袋を押し頂き、慎重に抱えて(突き出た枝で乗客を威嚇していたかもしれない)まっすぐと帰宅した。

帰宅して袋を開けると、出てくる出てくる。大きな枝が3本。そのいずれにも、わっさりとかぐわしい葉が生い茂っており、キッチンばさみでパチパチと小枝に分けると30リットルのポリ袋いっぱいになった。スーパーの小売に換えればゆうに100パック分はあるだろう。香りの強いローズマリーは、一度にたくさん使えるわけではない。ぐずぐずしていればカビるか腐るか虫がつくか、だろう。


これは、お裾分け、だな。


そして、予定の合った親しい友人や先輩3人に、たっぷりとローズマリーを差し上げた。受け取ってくれた誰もが枝に顔を突っ込んで息を吸い、異口同音に、


「ああ、いーい匂い!」


喜ぶ顔をみて、すごい嬉しくなった。ひとりで喜ぶより、何倍もハピィな気分。

確か高山なおみ氏のエッセイでも同じようなシーンがあったなぁと思い出す。「お裾分けって習慣ってすごくいいよね」と、彼女もしみじみと幸せを共有する喜びをかみしめていた、な。