ねじに恋するクロニクル

izumi_yu_ki2007-06-16

朝いちばんに渋谷へ向かったのは、愛機の鍵盤ハーモニカ「ぷぅさん」の吹き込みホースに黒い影ができたからだった。大きな声じゃ言えないが、穴をのぞき込んでみるとどうやらそれはカビのようだ。ここしばらくケースに入れっぱなしで全然練習しなかったから・・・。師匠(http://www.bloc.jp/hico/)に申し訳がたたない。たいへん恥ずかしい。


で、スペアのホースを買うために渋谷の楽器屋まで出てきたのだが、出てきたついでにギターみたいに吊り下げて演奏できるようにカスタマイズする「ショルダー鍵ハモ化計画」を実行すべく、ストラップをやピンなどの材料も探してみることにした。


キーボードのフロアで「あの、M-37にストラップを付けたいんですけど」とダイレクトに聞いてみたら、慇懃に、しかし非常に苦々しい表情で「それは・・・改造、ということになりますね。それはちょっと・・・こちらでは分かりかねますが」と返された。相当酔狂な客だと思われたようだった。それからギターのフロアに行き、ピックアップピンを探してみたが、これが思ったより高価。しかもネジが長くて、華奢な鍵ハモに突き刺したら中が傷ついてしまいそう、とひとまず保留。似たようなパーツを手に入れるため、その足でさらに渋谷を縦断し、東急ハンズのクラフトフロアへ向かう。


専門用語あふれるコーナーで店員にいろいろ尋ねるが要領を得ず、首をかしげられるばかり。ハンドドリルも「使えますか?キツイと思いますよ」と言われる。モーだめだ改造無理だー、と挫折しかけたが、とにかく部品だけでも下調べして、あとで師匠にアドバイスしてもらおう、と思い直し、ストラップを固定する時に使うネジを物色した。


ネジってすごい種類があるのですね。素材もさまざまだし、太さもたくさんあるし、形状ごとに「なべ」とか「タッピング」とか専門的な名前がついていて、それが何を意味するのかはサッパリわからなかったけど、整然と並ぶそれらに埋まるようにボーっと見ていたら、なんだかネジさんたちが可愛らしく見えてきた。


週末の朝も早よから、ネジに萌えてどうする乙女。


***
結局渋谷ではホースのみ購入し、ヘトヘトになりながら雑踏をすり抜け、やっとありついた昼食は久しぶりのリンガーハット。いつの間にか450円まで値上がりした長崎チャンポンは、でも以前よりおいしくなったような気がした。キャベツやモヤシの端っこが黒ずんでいることもなく、ちっちゃなエビやイカもちゃんとプリプリしてた。男性客ばかりの店内カウンターで、ラー油と酢をかけモリモリ食べる。汗とともに、元気がどわーっと湧いてくる。


カウンターで一品モノを掻き込む。これ乙女の食事にあらず。でもすこぶる美味。