浅草肉欲DAYS

独居女子の食卓に牛肉がのぼることはそれほど多くない。コマ切れでもブランド鶏肉ほど高いからあまり手が出せないし、ましてや大量に肉をガッツリ食らうなんてこたぁめったにない、と思う。ひとりDE焼き肉・口で肉汁を受ける妙齢の女の丸い背中。んむ、想像するだに寂しい。でも、たまには肉を食いたくなる時がある。にくにくにくおにくおにくと、体の奥底から欲望が湧いてくる。週末のわたしはそんな感じだった。


そんな渇望にジャストタイミングで、気のおけない友人たちとの定例うまいもの宴会が開かれた。場所は浅草の「米久」という老舗の牛鍋屋で。10人、奥の座敷で黙々と肉。少しの野菜、また肉。酒を飲まぬ方々はご飯、酒をのむわたしたちは日本酒とビール。割り下の味に飽きたら酒をのみ、ひといきついてまた肉。一年分の上肉を食った感じ。ありがとう、「女子もガッツリ肉」を企画してくれてありがとう、幹事さん。



帰りの電車ん中、数名で「肉が食べたいという気持ち」をあらわすキャッチを真剣に考えた。「やっぱ肉欲?」「ヤラシイなあそれ。肉衝動?」「いやいや漢字だとヤラしいよ、ビーフ欲とか」「離れたな・・・」

きっと皆の脳裏には、浅草のブロードウェイ通り沿いにあったセクシィな看板がチラチラしてたに違いない。今どき貴重なピンク映画館とか、湿気がドアから出てきそうなストリップ劇場とかの。