おでんの憶ひで

シャツ一枚じゃちと寒く感じるようになったらコンビニのレジ前に光るステンレスケースが恋しくなるよホラ夏のそれとはもう大違い生き生きと澄んだツユの中にはガンモと厚揚げとさつま揚げに半透明の大根立ち飲みカウンター常連おやじみたいに整然と横腹を見せそれらを菜箸でよければ下にはポクポクの卵がつるりと煮えてるし気持ちよさげに突っ立つ串おでん郡とゆらゆら漂う糸こんにゃくも色っぽくアタシの舌に誘いをかける。

おでんツユたっぷりのまずにいられない。

今秋初のおでん。野菜ガンモ、昆布、ロールキャベツ、そしていそぎんちゃくみたいな糸こんにゃく（誘惑に負けたの）。大きな容器に盛りこみ、たぷたぷにツユ注ぐ。発芽玄米おにぎりと合わせて500円でおつりがきた。懐にも嬉しく、腹も喜ぶ。たぷたぷ。そんなにおいしいわけじゃないけど、なんか満足。