フリーペーパーはターゲットもフリー・/「L25」創刊

毎週発行のたびに引っ張りだこの「R25」−25歳以上の社会人向け無料配布雑誌−の女性版「L25」が発行された。さっそく手に入れ、読破。


だいたいにおいて創刊号とは、窒息寸前!でも頑張ってとにかく形にしました的ギリギリ感に溢れた退屈なものが多い。しかも無料ゆえ、広告主体の内容になることは致し方ないだろう。いろいろなことを具合よく按配するのに相当苦労したんだろうなぁと労いたくなるような充実ぶり。記事内容や語り口の清潔感もよく、次回以降もこの調子だといいなぁ応援してますヨ、と筆を置きたいところだけど、創刊号にはひとつだけ、こりゃどうかなと感じる記事があった。


L25の占いコーナー。老若男女、当たるも八卦当たらぬも八卦のマユツバ紙面塞ぎ記事だが、ここが重要。L25の占いは、振り分けを「生月日」ではなく「生年月日」にしていて、対象範囲を1971年早生まれから1984年早生まれ迄の範囲で限定しているのだ。


女子雑誌に上限を設けるのは甚だナンセンスだ。下限を大卒あたりにするのは良しとしよう。だいたいにおいて女子は“背伸び”したがるものだし、まだ若いのなら、いずれその範疇に入るわけだから。しかし上限から洩れた人がそれを見たらどう思うだろうか。


L25」の占い対象から洩れた年代は、ひと昔前ならその世代(40歳前後)は結婚して家庭に入り、時代流行系雑誌は手に取らなかったかもしれない。が、今はそのゾーンの単身女子は山ほどいる。そこをターゲットから外しているゾとはっきりわかる記事を掲載するとは勿体無い。


まあ、でも“紙面ふさぎ”なコーナーに目くじらをたてる人はあまりいないかもしれない。なんせ無料だから手に入れて「損したー」と後悔する人はそれほどいないとは思う。が、「あーあ、はずれちゃってるのネ」と軽く傷つく女子も、少なからずいるに違いない。女子は自分の「年輪」にプライドをもっていると同時にコンプレックスも少なからず持っている。誰でも持ち帰れるフリーペーパーだからこそ、今回のようなターゲット・オープンはタブーと申したいが如何?