ロマンティック街道はサラサラと前髪そよがせて走る


地上波しか受信できぬ拙宅では、なかなかプロモーションビデオ(PV)が拝めない。去年出た堀込泰行のソロシングルPVも、ほんの数十秒しか見たことがなく、このまま見られずじまいかと諦めていた。


しかし天の助け。キリンジ活動再開のキャンペーンで、ついに見れた、見れた、見れた。

http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00081/v00178/v0017800000000203993/

動いてるー動いてるよー「燃え殻」歌ってるよーヤスがひとりでー。


馬の骨=堀込泰行氏は、とりたてて美形というわけではないが、まず声に惚れた。そして去年、髪をのばしはじめたところでミーハー的に目が離せなくなってしまった。バカじゃないかと自分でも思うのだけど。


「燃え殻」のPVでは、船に乗ったヤスが都会の川を下りながらひたすらギターを弾き語る。モノクロの陰影と、そよそよなびく長めの前髪にぎゅぎゅーっと胸つかまれ、鼻がスンスンいって止まらない。あぁ、いい。男のそよぐ髪、いい。東京湾ヴェニスの運河に見えるよ。一発撮りゆえ、後半にコードチェンジしそこないかけて一瞬表情が素に戻るところがステキだよー。全くもって、痘痕も笑窪状態。


実際に見たら興ざめしそうなのが心配だけど、ライブに一度は行って生ヤスを見たい。インストアライブはイベント直前の骨折で叶わなかったし。もうこれ、今年の目標のひとつ。


で、6月21日に出たばかりのキリンジ新譜「ロマンティック街道」のPVも同時配信されてた。映像は「ピタゴラスイッチ」のジングルを思い起こさせるもの。モデリング用方眼紙を折って拵えたデコボコを二種類の玉が弾んでいく。デジタルアニメだったら簡単にできることを、わざわざ実写でやるってところがなんともイイ。


今まではウエットなイメージだったキリンジが今回打ち込み巷ではクラフトワークっぽいとか評されているらしい。今まで冨田ラボに抱えられつつファンを増やしてたキリンジ、本格的脱皮か。今なら日本のペットショップボーイズになれそうか?

http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00081/v00178/v0017800000000203991/


聴いたあとから、脳の中でシーケンス音が止まらない。ピッポコポッポ、ピッポコポッポ。


「ロマンティック街道」は、結婚決まってる女の子を横恋慕する歌らしい。彼らの恋は歌詞現在、クローゼットの中にしまって、ふたりっきりではぐくんでるらしい。あまずっぱぁい。


クローゼットの中は処分できない女の心でいっぱい。不倫みたいにドラマティックでなくても、扉の中に隠されたままのものはいくらでもある。仕舞い込まれたまま虫に食われ古びて間もなく棄てられてしまうオーバーコート。つい溜め込んでしまう安っぽいTシャツ。クローゼットの中で息を潜めて来訪者の退出を待つ間男。