テルミンの泣き声をいとおしむ

izumi_yu_ki2006-01-16

どしゃぶりの雨のなか灰色の迷路を汗かきながらくぐり抜けて古いビルの地下に潜り遮音ドアの重みを懐かしみながらスタジオに入れば自分以外の全員がすでに揃っており時計を見れば開始時間を10秒過ぎており。

新しく知り合った同期予定生さんたちとドトールコーヒーのまずにいられない。

土曜日の朝、靴をぐちゃぐちゃにしながらわざわざ行ったのは、テルミン無料体験講座だった。ホコリまみれで、物置き場にさえなりかけていた、かわいそうなマイ・テルミン。「生き返らせてやろう」と年始に誓ったそれの、はじめの一歩だ。

意地でも自力でマスターするぞ、できるもん、と見栄を張っていた。しかし不明なことだらけでなかなか手なずけることができず、なし崩しにフェイドアウトしそうだった。最近はテルミンだけでなく色々なことを怠けている。それはすべて自分に跳ね返っており、自業自得で窒息しそうだ。自信がないくせに我だけは強く、人の挙動に神経質になり、パニックで身動きが取れない女なんて始末におえないじゃん。

その迷路を抜けるために、まず「師」をもとうと思った。手を差し伸べてくれる人や、一緒に進む人がいれば、ひとりで闇雲に道を探るより迷わずにすむのでは、と。無料講座の二日前に予約を取ったのだ。

それは、2年近くも滞っていた拙のモヤモヤをスコーンと吹き飛ばすようなものだった。とても一度の日記(しかも会社昼休みの20分)では書ききれないので、何度かに分けて覚書しようと思っている。とにかく、行ってよかった。