カレーライスとおじいちゃん

izumi_yu_ki2005-11-23

俺最近家建てたんだよ遊びに来なよそうだ妹チャンは子供ができづらくて色々やってるっていうじゃんユキちゃん頑張れよまだ大丈夫じゃんかよそういえば彼氏できたのかヨって瓶ビール2本空けた後久保田の瓶を抱えこみ暴走続ける目の前のシワシワのオヤジはふたつ年下の従兄弟。

「果実きわだつマスカットチューハイ」のまずにいられない。

祝日だってことでユルシテ。二日目のカレーをパスタにかけた昼ごはんとともに。窓際で撮影したらカレーが真っ黒だ嗚呼・・・。

「俺はじいちゃんに似てるから酒のみなんだ」と、年長組の息子と3歳の娘をもつ従兄弟、シゲアキは胸を張りつつ、さらに精進落としの酒をあおる。確かに彼の顔色は浅黒く、祖父と似ているような気が、しなくはない。が、フェロモンがないなあ、あんたはさ。

大酒飲みで乱暴者な祖父は、家族には嫌われていたが外では大層モテたという。体が大きく、骨も太く、エロ雑誌が好きな粗くれ田舎男は、理屈なしで女の遺伝子をざわつかせる存在だったのかもしれないなぁと、面影を掘り起こして再確認してみる。酒くさいジイちゃんはオトコの大人の象徴みたいで、拙にはちょっと近寄りがたく、抱っこされそうになっても逃げ回っていた。が、男の子にとっては憧れだったのかしら。釣りも得意だったし、エロを隠さなかったしね。

従兄弟の中でも一番年の近いシゲアキ。幼い頃は目が落っこちそうなぐらいでっかくて、体はちっちゃくて、よろよろしてて。本当の弟のように可愛がっていたのだが。いつの間にか私よりもシワシワになっちゃって。しかも酒の勢いを借りてボソボソチクチクとイヤミなことを言うオヤジになっちゃって。豪快だった祖父とは、ただ酒が強いってことだけしか共通点がない。

この減らず口をへこませることは簡単だったが、嫁も子供もいるヤツだし、恨みもないから、ヘラヘラ聞き流すことにした。心で突っ込みを入れながら。

(おおいシゲアキ、お前しょっぱくて焦げくさいぞ。まるで、煮詰まりすぎたカレーじゃんか。うまく火を入れ続けたらすごい美味くなったかもしれないのに勿体ないねえもうダメだねえ作り直さないとねえ)

おっと。うちのカレーも焦げ付きそうだった。