I Want You, I Need You, I Love You
キリンジホリゴメ弟のソロアルバム曲目を見ていたら思い出したよあれは新卒の夏で理想ばかり高くて実力も美貌もなにひとつ秀でたもののないヤツが生まれて初めて見知らぬ人からもらったラブレター。
アイスウーロンのまずにいられない。モスバーガーで久々の食事。でもメニューは相変わらずのマスタードチキンにサラダにお茶。
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これぐらいの季節だった気がする。朝、ビルだらけの五反田駅前には大きなスーパーがあり、白いビル肌は強い朝日を思いっきり反射して、すぐ隣にある歩道橋を歩く人をクラクラさせる。改札でいきなり声をかけられ渡された手紙には500円のテレカが入っていて、とりあえずお礼の電話だけして、その後駅前で2回ぐらい軽く話をしたけど、ほとんど黙っているだけのその人にピンとくる感じがなく、だんだん逃げるようになった。違う改札から出てみたり、ともだちと一緒に出勤して、気づかないふりしてみたり。
でもやっぱりハッキリ言ったほうがいいと思い、相変わらず改札で待つその人に声をかけ、「彼ができた」とウソを言った。そしたら「ぜんぜん気にしないでください」と手紙を渡され、あっさりとその場から立ち去っていった。
手紙には、恨みがましいことは何も記されていなかった。でも、3枚のテレカの表面に細いマジックで書いてあった言葉を見て、ぞっとした。
「I Want You」「I Need You」「I Love You」
あとにも先にも、あんなロマンティックかつ怖い経験はない。あの頃は、女子としてひとつのピークにあった時期だったのかもしれない。よくも悪くも。