哀愁の揚げカレーパン

izumi_yu_ki2005-04-18

連日の気づかれで体の芯がぐにゃぐにゃで人と仲良くするのも諍いをするのもすれ違うのも食べ物を注文するのも当然自炊するのも億劫なほどだったのでスパイシーなもん食べてシャキッとしようかと土曜の昼下がりに下北沢名物アンゼリカのカレーパン買って路地裏の日当たりいい石垣に座ってあんぐりとかぶりつく。

カフェミストのまずにいられない。本日のコーヒーにあわだちミルク入れたやつ。ラテのコクが今日の体には重いかなぁと思ったので。

口のまわりが油っこいパン粉にまみれる。ひざにぼろぼろこぼれる。手がべたべたする。あっさりした「焼きカレーパン」やキノコの入ってるアレンジ版、辛いやつとか、いろいろあったけど、カレーパンはやっぱホドホドの辛さで、揚げてあるやつがいいと思う。

カレーパンは両手で下のほうを持ち、ちょっと押しておくといい。すると中身がせり上がり、一口目から“カレーたっぷり”を満喫できる。まだあたたかいパンをおおぐちあけて噛む。サクッと軽やかな音がたつ。ふわっとサラダ油の匂いがたつ。最初にカレーの旨み、つぎにじわじわとカレーの辛さが下に広がる。オレンジに汚れた口角をぬぐってもう一口。

だいぶ前、当時付き合っていた男と一緒に下北沢に遊びに来て、このパンを食べた記憶がある。でもその時には油っぽくて胸焼けを起こし、あんまりウマくないなあって半分で捨ててしまった、ような気がする。

思えば、彼は食べることがそんなに好きじゃなかったかもしれない。何をたべても反応が薄い。文句も少ないが喜びの表現も薄い。一緒にごはんを食べる人は、やっぱり食いしん坊がいいな。あーだこーだ言いながらわいわい食べる。うまければンマーイと感動し、まずければあとで(その場では決して口に出さないのが掟)シッパイダーと向かい合って文句を垂れる。そうでないと、せっかく唯一、おおっぴらにできる本能開示が、ゆがんじゃうじゃん?

しかし、やっぱり惣菜パンは脂肪が多いね。翌日、口のまわりにポツポツができてしまった。でもそのかわり、元気は出たよ。乗り切れるかな、今週も。