ひとりぼっちのホフディラン

izumi_yu_ki2004-12-02

付き添われ環七またいでいつもの焼き鳥屋に行きおそるおそる口にした生ビールは以前と変わらず泡まろく苦味おいしく名物ニテバと新米炊き立てごはんと冷奴をつまみにペースをあげずにそろそろと飲みすすむ。

2杯目は焼酎のまずにいられない。430円で黒糖焼酎グラス1杯。水割りにしてもらい、やはりそろそろと飲む。

ニテバとは煮手羽のこと。手羽をしょうゆでこっくりと煮てあり、焼酎のアテにはむろん、ごはんに乗っけると箸がすすんですすんで、丼がたちまちカラになる。とろりコラーゲンも豊富。できれば毎日食べたいところだけど・・・・・・。

先週の事件以来、シュガーはいつも以上に心配して、自分の部屋にほとんど帰らず傍にいてくれてる。ありがたく、また申し訳なく。手料理作ってあげたいけど時間がなく、なにかプレゼントしたいけど金はなく。

本当は、「もうアタシは放っておいて大丈夫だから自分のこと考えて」って開放するのが一番のお返し。でもそのひとことは、とても言えない。トラブルの嵐が通り過ぎ、いつもの生活が戻ってきても、やっぱりそばにいてほしい。

ふたりの関係は、世間一般的ではないものをいくつも抱えているから、時々、先を見失ってやるせない気分になる。何度もその波を乗り越え、3年目に入った今も、やはり根本的に抱えているものは解決せず、むしろ着々とふくれあがっているとも思える。

辛いのはシュガーのほうだと思うから、エゴイストでゴメンナサイと心ん中で号泣する。またいつ、何もかも放り出したくなってしまうかわからない。予感を甘んじて受けながら、静かに時の刻みを見つめることしかできない。

深夜、シュガーに教えてもらった、というか刷り込まれた「ホフディラン」のPV集をぼんやりと見る。あんなにキライだったグループサウンズ風鼻声のワタナベイビーが、たまらなく可愛らしく思える。2年間あまりスランプに陥り、それでも相棒と音楽を続けてやっと脱出できたところで解散になってしまった彼の曲が、無性に聴きたくなっている。