おかえり秋刀魚さん

不安や疑問を口にしたとたんに3年近くもの時間がダイナマイト仕掛けた旧い家みたいにあっけなく壊れちゃいそうで沈黙や皮肉に変調した言葉ばかり言っていたら目と顔の形が変わってしまった。

テキーラ飲まずにいられなかった。たくさん飲まずにいられなかった。

ごうごうと荒れてどかんすかん自転車で転んで、全身あざだらけになって気を失いかけてたのに、なのになんで部屋までたどりつけたのかな。わかんないけど、無事でよかった。死ななくてよかった。

生き延びた次の日、アタシは銀のブレスレットをねだった。ムーミン谷のノンノンが、いつも足に巻いていた、あんな感じの輪っかが欲しかったからうれしかった。うれしくてその日からずっとつけっぱなしだよ。

その日の夜、秋刀魚の塩焼き。初めて食べたあの苦いワタのおいしさ、一生忘れないでいよう。旬のうちに時々食べて、季節が終わったら、来年の塩焼きを心待ちにして、また食べよう。生きているうちは何度でも繰り返すことができるんだから、生きているうちは、快いと思ったことを何度でも繰り返そう。

もうじき、23回目の誕生日をむかえるマイシュガーへ。