ごはん小盛りにできません？

何とか給料全額入っていたから当日ぐらいプチ贅沢をと弁当を休んで外で昼ごはん食べようと繰り出したがハレの食事をナニにすればいいか鰻屋と洋食屋とうどん屋と寿司屋の間をさまよって結局たどりついた駅前のてんや。

冷たいほうじ茶飲まずにいられない。キリっと冷えた日本茶はうまいねえホント。

てんやに入ったのは、実に半年ぶりになる。久しぶりに入った店内は、以前と変わらず広々としている。メニューの構成が少し変わったようで、定食に卵とうふがついていたり、カレーうどんとかあったりする。また、小天丼がなくなってしまったようだ。その代わり、ごはんの大盛り小盛りを選ぶことができる。大戸屋方式だね。

んで、特に目を引いた新製品「かきあげ天茶漬け」をさっそく頼んでみる。ごはんの小盛りができないらしく、申し訳なさそうに「すみません、調節できないのでお金、安くならないんですけどいいですか」と言われた。いや単にごはん食べきれないってだけなのに、別に値引きなくてもいいんだけどな。だって、なんせ給料日だし。少々ムッとしつつ、まいっか、と出来上がりを待つ。

てんやの天ぷらって、ベルトコンベアみたいなもんで自動的に揚がるんだよね。カウンターでそれを見てみたいんだけど、いつも女子おひとりさまだからか、気を遣われて４人掛けのテーブルをすすめられてしまい、まだ拝んだことがない。

ほどなくブツ到着。エビと三つ葉のかきあげは、両手のひらを合わせたぐらいの大きさ。けっこうでかい。ごはんは天丼より小振りの器。土瓶にはたっぷりのお茶が入っている。

まず、塩と七味をつけて、ごはんと一緒にひとくち。ん、えびがプリプリで嬉しい。抹茶塩なんかもあるといいのになー。次は天丼のタレをかけて。こってりとしていて、ごはんが進むよまいったね。塩、タレ、塩、タレ、と交互に食べてたら、茶漬けにする前に満腹になってきた。こらイカンと、あわててわさびと三つ葉をごはんに乗せ、茶を注いだ。茶は出汁とほんのり塩味がきいてて、これだけでうまい。茶碗になみなみと注ぎ、汁だけをごくごく飲む。ごはんも気持ちよさそうにふくらんでサア食べてとぴかぴか光っているが、もう鼻から粒がでてきそうなぐらい（汚いなあ）なんで、心の中で（ごめんね、食べてあげらんなくて）とごはんの神様にわびながら、箸をおいた。

ふう、と息をついて静かに大きく息を吐いたら、ほんのり番茶の香りが胃袋からたちのぼってきた。あー、なんかほっとする。しかし、天ぷらってば贅沢贅沢。たとえ「てんや」であってもね。ごちそうさま。