のどに陽射しを当てながら飲むビン牛乳

休日でも目覚ましはきっちり午前7時にラジオを鳴らしそれに合わせて目が覚めちゃってせっかくだからドレ散歩でも行くかと商店街抜けたら焼きたてパンのいい匂いがしたからついカスタードプリンと全粒粉パンを1個買いさらに歩いて世田谷線駅前のキオスクのぞいたら急にのどの乾いた。

ビン入り牛乳飲まずにいられない。これを買ったのは数年ぶりぐらいじゃないかな。久しぶりに見るガラスのビンはちょっとずんぐりと小型。フタは紙じゃなくて薄い青紫のプラスティックキャップで、開けたあと、また閉めておけるようなものだった。

噴水のところにヨイショと腰掛ける。焼きたてだから包みはひらいておきますね、とパン屋のお姉さんが言っていた通り、紙包みの口はかっぱりと開いており、パンの発する蒸気がかすかにたちのぼっている。ミシッとひとつかみすると、あっさりした抵抗の後、ざくりと割れた。切り口にはドライフルーツやくだいたナッツが見え隠れしている。

見るからに香ばしいそれを、ぱくり。もぐもぐしながら、すかさず右に用意しておいた牛乳ビンを握り、ごくり。

んーーーーまーーーーーあーーーーーーい。

朝、戸外でパンかじりながら飲むならば、ガラスびんで飲む冷え冷えの牛乳ほどふさわしいものはない。普段は腹がゴロゴロするため控えている冷たい牛乳も、我慢たまらずイッキ飲み。

朝の晴れ間が傍らの噴水だまりをチラチラ光らせている。水面からの反射は牛乳ビンに当たり、透明なガラスをさらに透明に、キラキラ輝かせている。ビンをふたたび持ち、ごくごくごく。ふだん光をめったに当てない下あごが、リズミカルな動きをしながら牛乳ビンとともに水面の反射を受けてキラリと光る。ああ、ほんとに、うまい。

うんと若い時は、毎日がまるで早起きした朝みたいにみずみずしかったが、今はどうだろう。どんよりとけだるい雨降りな日が続いていることが、むしろ多いように思う。毎日とまでいかなくても、注ぎたての牛乳を胃袋にしみわたらせつつ、むしむしと弾力あるパンを噛み砕き、元気よくドアを蹴って歩いていけたら、楽しいだろうなぁ。

食べ切れなかった全粒粉パンは、家に持ち帰り、ちょっとずつちょっとずつ、ネズミがつまみ食いするみたいに、食べている。勢いねえなぁ。まあいいかあ。