左手は、そえるだけ

izumi_yu_ki2004-04-02

新生活の華やぎは普段光も入らず沈みがちな弁当屋まで浮き足だたせ新商品のちらし寿司には海老と桜と卵焼きの和らぎ色が花咲いている。
お澄まし飲まずにいられない。イートインの客へのサービス。
朝はモス詣でを休み自炊。ほうれん草を刻み入れた特製ミルクスープ。外食を続けると体調が狂うようになってしまった。簡単なものでも自分で用意すると何か違うみたい。栄養がいいのか若干肥えたが、ま、仕方ない。

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後輩の数が先輩の数をかるく超えてしまった。しかもアタクシ、ぶっちぎりの社員最年長。ただでさえ覚えは悪く、しかも打ち込み経験皆無なところから着メロ制作を始めている。へたすると昨日入った新人にさえ知識や技術を追い抜かれかねない。こりゃ、まいった。ほんとにヤバい。何とかせねば。

他の社員と較べてアドバンテージがあるとしたら、音楽に誰よりも長く触れている、というぐらいだろうか。70年代ロックは兄さん姉さんたちに教えてもらい、80年代はリアルタイム。シンセサイザーがまだ単音しか出せない上バカみたいに重く高価で、ヒヨンヒヨンした音しか出せなかった頃を知っているし、MIDIが開発されDXシリーズが普及した頃には既にバンドを始めていた。テクノ黎明期を通過しナゴムレコードを通過しイカ天も経験。小さい頃からたくさん“耳コピ”をしていたことを自信にしなければ、と思う。でもつい、弱気になっちゃうんだよなあ。同じような年齢、経歴の人が一人もいないんだもん。すごくプレッシャーかかる。

3歳の頃から高校卒業まで、ひたすらピアノの基礎ばかりやらされていた。華麗な曲などまったく弾かせてもらえなくてブーブー言っていたものだ。が、今になってその基礎があったからこそ、ケツカッチンな状況でも何とか前進していけるのだなと先生に感謝している。
スラムダンクの天才・桜木だって基礎ばっかり黙々とやってたじゃないか。アタシは天才じゃないけど、音楽の基礎だけはある。音色エディットやシーケンサー操作、MIDI知識はとにかく根気強く詰め込んでしまおう。覚えるそばから殆ど忘れてしまうが、くじけず叩き込もう。MIDI検定なるものもあるらしいから、習得レベルを知るために使ってみるのも悪くないかもしれない。

こんな“大きな人”になってなお、こんなに勉強しなければいけないとは思わなかった。が、やるしかない。不器用な選手がしっかり技術を身に付けるために、10000本のシュート練習をするつもりで。ただし、力んでも仕方ない。肩の力を抜き、左手は、そえるだけ。