引っ越しは趣味じゃありませんが

先月まで住んでたシェアハウスは、デザイン性の高い洒落オツな建物だった。


トイレは扉を開けるとセンサーで灯と換気スイッチが入り、出て暫くすると自動的にオフされる。シャワールームも同じく自動センサーつき。ルームメイトは60名あまりもいて、広々としたIHのアイランドキッチンやラウンジは常に賑やか。エントランスはオートロック、万一鍵を締め出されても室内の誰かが気づいて開けてくれた。あまりさびしい思いをしなくて済んだし、それなりに快適だった。


けど、何をするにも階段利用で、拙の足には負担が大きかった。また、ほとんどの設備は共同利用。常に人目があるし都合のいい時間にキッチンや水回りがふさがっていて使えない。これ、女性の勤め人にとってはけっこう窮屈。


シェア生活が長くなるとともに、徐々にコミュニケーションが億劫になって部屋にこもりがちになり、生活レベルがじりじりと下降。抵抗力も弱りインフルエンザや感染症に何度も罹患。体中が滞っている感じがして常に体調不良。このまま若年隠居になってしまいそうで、人生が本当の本当に終わってしまいそうで怖くなった。で、自分のペースを取り戻すために再び独立してひとりで暮らすことにした。


新しい環境にもそろそろ慣れてきたが、いまだにシェアの頃の癖が残っている。オートセンサーに慣れすぎてスイッチをつい切り忘れてしまう。部屋中のウッカリが多いのは、そういうことなのです。許して。(火事だけは気をつけます)