桜散る土曜にクリスマスキャロル

チャールズ・ディケンズの、あの小説。後生大事に枕元に置き、ことあるごとに読み返している。理由は自分でもよくわからない。ただ無性にその世界へ飛びたくなる。去年のクリスマス前あたりから、こんな季節までずっと。

拙は、桜が咲きあっさりと散りそぼる今の時期が苦手。どちらかといえば人々が温もりをまさぐりあう寒い時期のほうが落ち着いていられる。春は喜ぶべきなのだろうが、どうにも居心地が悪くて仕方がない。しんと沈殿したスノードウムの中に閉じ込めてほしいと思ってしまう。孵卵器の中に放り込まれたら楽だろうなとも考えてしまう。

そうなったらそうなったで、真冬のチワワみたいに人恋しい目をしてプルプル震えながら外に出たがるのかもしれないけど。



でも、さあ。なんで今クリスマスキャロルなんだろね。星の王子様でも村上春樹でもバイバイブラックバードでも東野圭吾でも白雪姫でもなく、爺さん改心物語に琴線触れるこのコンディション。捻くれ過ぎてて嫌になっちゃうよ。