ソラニンの痛み

友人が最近サラリーマンを辞め、地元にBarを開いた。
普通に考えればこの不況の折にわざわざ安定した職を捨てて飲み屋を開くなんて無謀なんだけど、今あえて開業する勇気を讃えずにいられない。きっと彼ならうまくやれる。開店祝いの乾杯を仲間と何度も交わしつつ、我が身の振り方を改めて考える。

少し休みたいと思ってから実行しないまま丸1年も時間を無駄にしてしまった。今年も桜の咲く季節を迎えようとしている。これほど歩みを滞らせてしまったことは、生まれてこのかた1度もない。バカみたいに行動できた自分はどこへ行ってしまったのだろう。どうしたら取り戻すことができるんだろう?

昨年の秋、大口クライアントから制作費の大幅削減を宣告された。利益が突然1/3以下になった会社は今月、社員の給料が出せなくなった。結局分割で支給されたものの、外部スタッフのギャラは昨年から2ヶ月も滞った。そんな状態だが、会社は融資を受け、業種をシフトしながらまだ存続するつもりでいる。新しい事業がどんなものなのか社員は知らされていない。ただ不安な気持ちのまま、やればやるほど赤字が増える仕事をみな静かにこなしている。

今の会社にいても将来はない。今日を食いつぶしていくだけの日々なんてゴメンだ。でも、飛び立てるチャンスがなかなかこない。早く消耗戦を終わらせたいのに、踏み出せない。

むなしい。