自分の頬が赤い理由を林檎は知っているのかい?

紅玉りんごっていうと、真っ赤で酸っぱくて小ぶりというイメージがあったが、届いた紅玉はシーズン最後だったためか普通の林檎ぐらいの大きさ。でもやっぱり紅玉らしく、皮はきれいなルピー色。水でざざっと洗ってくし型に切って、ひとつ味見。

あんまり酸っぱくない。甘い。おいしい!
ジャムか焼き林檎にしようと思っていたけど、これならこのまんまでも十分うまい。
でもせっかくだから、大きめのサイの目に切って鍋に放り込み、バターとはちみつとお砂糖でかるく蒸し煮。シナモンが欲しかったけど省略。ほっかほっかで甘い香りがほわーんと香る即席焼き林檎と、大好物の黒豆せんべいと、追加したミルクティーで、祝日のおやつ。

雲のカケラも見当たらないピーカンな秋の昼下がり。バスタオルはハタハタ揺れ、ジーンズもヒラヒラとゆらぎ、友人の披露宴引き出物でもらったアロマポットからほのかなベルガモットの香り。

陽気な空といい香りをかいでいるうちに、疲れ切った心がほどけていく。溶けかけた飴細工みたいだった気持ちが冷静を取り戻し、本来のフォルムを取り戻し始めた感じ。