スパイシィでないカレー、なんて恋のない人生、みたいな

izumi_yu_ki2007-07-17

台風くるし地震は起こる災い多き海の日の連休。でも幸いにしてわたしは、割合平穏かつ凡庸に過ごすことができた。


まず湿気た枕カバーの禊。雨だというのに洗濯機を嬉々として回し、朝イチのコインランドリーでいそいそと乾かす。それから図書館で「ホットケーキミックスで作るお菓子」を女の子っぽく借りるついでに「夜露死苦現代詩」も借りる。都築響一は「TOKYO STYLE」から密かに好きで、今度は「やせる旅」も読んでみたいと思う。写真のきちんと撮れるライターさんっていいな。小林キユウ氏しかり。


そしてたまにゃー外食をとスープカレーの店に出向き、骨付きチキンのカレー・30番(相当辛い)を頼む。すると一度注文を受けてから「すみません、このカレーだけ30分以上かかるんですが・・・」とな。連休に看板メニューを切らすだなんて。仕方なく納豆オクラカレーに替える。しばし待って出てきたものをひとくち啜ると、これがまったく辛くない。カレーの王子様並みだ。

ひとりぐらしの食卓じゃ食べられないものを求めていた。骨つきカタマリ肉をほぐし、しびれる辛みにハフハフ汗をかきながらランチビールをぐいっといきたかった。ベジタブルなのはまだ許せるにしても、お外のカレーがスパイシィでないのはいかん。途中あきらめてカタマリ馬鈴薯など半分ほど胃袋に収めてしまったが、やはりここは譲れない。

しばらく躊躇したあげく、静かに店員さんと目を合わせ、これ全然辛くないんですけど注文と合ってますかとクレームをつける。すると娘さん、食べかけの皿をやおらキッチンに持って行き、朱色の練りスパイスペーストを“混ぜ込みました”とハッキリわかるムラ色を呈したものをふたたびテーブルに戻してきた。


しっかり辛くなってたけど腑に落ちない。カレーは温め直されておらず、すっかりさめていた。テーブルには小さいがテラテラ褐色の背中をもつ虫がよたよたと右往左往していて、手で払いのけても逃げない。


むぅ。全額払いたくないなぁ。


で、少々恥ずかしかったけど、ホットペッパーのクーポンを携帯で探し、それでビールを無料にしてもらって割引会計。

店を出たら、傘をさす必要があるかないかぐらいの微妙な雨が降っていた。小さい雨粒が横風にあおられてノレンのようにゆらゆら。そのまま歩いていたら、縮毛矯正したての髪がクルリンと形状記憶よろしく縮れてしまった。


災い連休は下北沢にもやってきた。むむぅぅ。