「さようなら」という言葉の意味を君は知らない

人を傷つけたくないなんて生半可な正義感をもった子供が人を傷つけられるようになってしまったと嘆く青年になり人間とは生きているだけで傷つけるし傷つけるものだということがやっとわかったなんてまた青臭い吐息を真向かいの他人の顔に吹きかけるお馬鹿さんなあなたが大好きだったよ。

たぶんなにかのまずにいられない。空しさのみずうみにしずんだまま浮世に帰ってこれないかもしれない。それでもわたしは歩き、走り、立ち止まって涙をこぼし、苦手な交通機関までを使い、どこかの町のさいごの地へ向かっていくのだ。

まごころ、さようなら。