雑音に振り回されずに生きてみたい

相変わらず会社の雰囲気は良くない。ただでさえ何種類もの携帯音が騒々しく鳴る中、ヘッドフォンで音源聞き込んで音を解きほぐす作業は疲れが溜まるのに、出入口や空調コントローラの近くにいるせいでなかなか集中しづらく、イライラがつのる。トリビアに出てるタカハシカツミそっくりなのに中身は気分と見栄に支配されてるインナー・ギャルの社長の采配は更正の気配もなく経営状況は悪いし、同僚のスタッフは外ヅラばかりよくて実は責任転嫁の鬼な腹黒男。そんないろいろに目をつぶって頑張っても、午後になると目の下に隈ができ、肩で息しながらやっと定時むかえる感じ。妙に真面目なのがいけないんだけど、何となくやり過ごしてりゃ給料も今んとこ入るしいいんだけど、それはわかってるんだけど、でもアタシバッカリガ ビンカンスギル ンデスカ ネ。


昼休みに入った途端に体の中の電池が切れた。仕事も隣の腹黒もエアコンの風さえもチクチクとして、いたたまれない。一刻も早く外に出たかった。午前中にひと仕事区切りをつけたことを幸いに、午後は早退。


じゃんじゃん降りの雨の中、さすがに遊ぶ気にはなれない。平日昼間じゃないとできない事務処理も、今日はもうしたくない。背中がバンバンに硬直してるからマッサージを受けたいけど、人と会うのが億劫。というわけでまっすぐ家に戻り、作り置きのチリミートソースを解凍してパスタにからめ、ドラフトワンを添えて遅い昼ご飯。


つめたい雨降りの午後に時間があくといつも「傘がない」の歌詞が頭をよぎる。拙にとっちゃ、テポドン2号より、ナカタの引退より、ユンソナの婚約より、きょうの雨をやり過ごすことのほうが、心の中心を締める重要事項。