みんなが金持ちにみえる

ジブリの森がある町の中心部は飲食店がたくさんある。どれも繁盛していて、帰りに横を通りがかると、入口から中まで黄色っぽく明るい照明にカンカンと照らされていて、開け放たれたドアからカウンターでうまそうなカニをせせるカップルや、ごくごくとビールを飲むグループの姿がよく見える。


毎日外から覗き見ると、中の人が入れ替わっていないような錯覚を起こす。あの人たちは毎日外で酒をのんで存分にツマミを食べているんじゃないかと思ってしまう。


月曜日には「週明けから飲んでるのかぁ」と思い、火曜日は「火曜日も飲むんだぁ」と思い、金曜日には「週末だしやっぱ飲むんだねぇ」と思う。もちろん中の人は毎日入れ替わっているわけで、店に来るのは多くて週イチ、年に一度しかこない人だっているかもしれない。でもチラ見するたびについ、「いつも飲んでるリッチマン」たちをうらやましく思ってしまう。自分のほうがよっぽど酒に金つかってるかもしれないのに(エンゲル係数猛烈に上げながら)。