萌え系女子のプロ意識

うちの会社で立ち上げた着メロサイトを宣伝するため、毎週末にアルバイト女子が秋葉原でビラを配っている。サイトの売りは「萌え」系メロディだからってんでメイド服を着てもらっているのだけど、人が急に足らなくなってしまった。そこでJKの知人に「メイド服でビラ配り」のアルバイトをお願いした。


彼女は歌手志望でプロダクションにも所属し、メイド服で秋葉原の街に幾度となく登場し、メイドユニットでライブも行っている。いわば「萌えのプロ」。彼女ならばきっといい仕事してくれる、と思って萌えメロ担当者に紹介したのだが。


さっき「メイド服じゃなくポロシャツ着るんだって?それじゃ話が違うよ、やらないって言ってるよ」と、すごい勢いでJKからメールがきた。その剣幕に驚いてすぐ担当者に聞いてみたら、どうやらプロダクション的にメイド服NGのビラ配りスタッフがいるらしく、それに合わせてロゴを背中に印刷したポロシャツで配ってもらおう、ということになっていたらしい。そんなの初めてきいたぞ。話が違うぞ。


秋葉原での彼女はいつも「メイド姿」でなければならない。普段着、ましてや企業名の入ったポロシャツを着てビラを配るなんてことは、彼女にとってファンへの裏切り行為なのだと思う。


うちの会社は着メロ屋。音楽をこまごまと作る職人ばかり集まっているため、こういったマスコミ的なところがまったくわからない。だからこんな風にひとつひとつのプロセスでトラブルや不具合が起きてしまう。正直、見ていられないことも多く、できれば手伝いたいのだが、部署が違うし拙の部署の仕事もあるしで、DTPソフトのアドバイスをしたり、スタッフを紹介したりするぐらいしかできない。


彼らもしかし、将来の社運のかかった企画を非常に限られた予算の中、勉強しながら休日返上で頑張っていることはよくわかる。だから今回のようにトバッチリを受けても、拙には彼らを責めることはできない。アルバイトの彼女には当初の予定通り、メイド服姿でやってもらうことになりそうだから、お願いもう怒らないで悲しくなるよベイビィ。