淑女はけして召し上がらないだろう立ち食い月見そば

izumi_yu_ki2006-02-13

小さいエレベーターに乗り5Fまでのぼって扉を開けると涼やかなサロンが広がり近所の古着屋で調達したコートをボロリと肩にかけた小女はしばし立ちすくんだが浮世を忘れ華やかだった女子大生の頃なんか思い出しながら女っぽい園でのお茶タイムを愉しむ。

ブレンド茶のまずにいられない。イチゴの果汁が入ったおまんじゅうとともに。

日曜日、uramoさんの写真展を拝見するため渋谷に。イゾラ・ベッラという名前のしゃれた雑貨セレクトショップに恐る恐る入ると、細身の美人店長さんの歓迎を受け、次々と雑貨の説明を受ける。手触りのよいニットやドレスに心奪われ、すっかり「買い物客」と化す。ピンクのハート形した時計は、もう少しで衝動買いするところだった(次に行ったらきっと買っちゃうカモ)。

uramoさんにいつ告げようかと思っていたのだけど、どうも「参上しましたぜ!」と名乗るのも恥ずかしく、きっかけを失ったまま店長さんにお茶とお菓子をふるまわれ、雑談など交わしていたら1時間も経ってしまった。

ノドから何度も「ぅあたしが“たべいら”です」と出かかったが、結局言い出せないまま店を後に。顧客名簿用に会社の名刺を預け、せめてものキーワードとして、店長さんのお名前が「いづみ」さんと仰ると聞いた時、「私もネットでは同じ名前を使っているんですよ」と、やっとの思いで話した。店を出る時、「uramoさん、さようならー」と勇気ふりしぼって声をかけたけど、あれじゃただの挙動不振者でしたね。ごめんなさい。写真、おだやかで美しかったです。ありがとうございました。

明けた月曜日の昼は立ち食いで月見そば。さえない大テーブルでいつものように食する。傍らにお店で買った赤い手ぬぐいを置いたら、うらぶれ気分がちょっと華やかになった。