歩道でひとを追い越すセンス

冒頭のような出来事は珍しくない。バスの順番を吹っ飛ばして乗る学生や、ベルも鳴らさず通行人の肩やカバンにぶつかりながら通る自転車。体ごとぶつかってきて席に割り込む老人も。老人の場合は、自分がケガしたおかげで気持ちがよく分かるようになり、むしろ積極的に空間をゆずって先に通すぐらいだ。しかしそれ以外はちょっと許しがたい。

人間には体の周囲に「個人の縄張り」を持っていて、他人がそのテリトリー内に入ってくると排除したくなる。その幅は50cmぐらいだったか? 皆が感じる満員電車の不快は、テリトリーを侵されるからだ。

歩道の件もこれが当てはまる。急いでいる気持ちはわかるが、できるだけ迂回してゆっくりと追い越してくれないと、びっくりするし、気まずい。相手はあなたと同じぐらい健康でサクサク歩ける人とは限らないのだから。ねえ、奥さん。