抜け殻を熟れすぎた夕陽が照らす:骨折24日目

全休とって万全の構えで整形外科へ繰り出したが入口で2度もつるりと転びかけ受付では診察カードをバラまき待合室ではヤブ蚊に刺されそれでも大事な日だからと我慢していたのにレントゲンは撮られずギプスをチョキチョキと縦に切れ目入れて足を取り出されセンセイがちょいちょいと触って大丈夫だネとか一言かけられただけで膝に湿布をペタシと貼り同じギプスに再び格納。

やけ酒のまずにいられない・・・そんな気分。

骨折から3週目。てっきりレントゲン撮影するものだとばかり思っていたのに、ただギプスを着脱可能な状態にしただけだった。足の甲から股下まで同じギプスにがっちり包まれて帰宅したが、心底ガッカリだ。

久しぶりにむき出しになった我が左足。「筋肉が落ちてひょろひょろになる」との予備知識をもとに眺めてみたが、ふくらはぎや太ももの肉は確かに少々落ちていたが、膝の周囲はまだ腫れていて、膝小僧がハッキリしていない。3週間我慢した割には変化がない。ただ、足の色は全体的に黒っぽく変わっていた。これはアカなんだろうか。アカなんだろうな。

ギプスをしげしげと見て看護師さんが「こんなにギッチリ上から下まで押さえてるんだもんねー、こりゃ大変よねー」と気の毒がる。そうなんです大変なんです何とかしてください、せめて足首までに短くしてもらえませんか、と懇願してみたが「ごめんねーそれは無理ー」と断られた。

切れ目が入ってるからお風呂に入れていいですよ、と言われたが、そんな簡単に入浴なぞできない。センセイのお家のように(たぶん)広い浴室ならともかく、こっちは狭いアパートのユニットバス。どこでギプスをはずせばよいのか。そこから浴槽に入るまでどうすりゃいいのか。足はどこまで力を入れていいのか。はずしたギプスはどこで付けるんじゃ、松葉杖ついてベッドまで戻らなきゃならんじゃんか。それに、靴下はくのも大変なのに、一度ほどいた包帯をどうやって巻き直しゃいいのサ。グモーーー(やるせない咆哮)。

今度こそレントゲンを撮ってもらえるのは2週間後。ああ。気が遠くなりそうだ。いけないと分かっていながら、つい酒を飲んでしまった。「カロリ。」を2缶。

深夜、ギプスの甲があまりにも痛くて目が覚めた。寝ぼけながらウンウンと前屈し、脱脂綿を隙間に詰める。そういや、足首あたりの包帯は随分強く巻かれていたから、それがいけないのかもしれない。翌日包帯をほどいてみたら、甲がこすれて真っ赤になっていた。脱脂綿をさらに挟み、母に手伝ってもらいながらゆるめに巻き直す。痛みは和らいだが、今度はゆるめたことでギプスが落ちてしまいそうで気をもんでしまう。うう、早く固定から解放されたいー。