バイバイグッドバイサラバイ

たまご1個ゆでる気力さえなくてもその人に会うために台風の向かい風をくらって横飛びしながらもダッシュできるのはなにも私だけじゃない恋してたら誰でもできることだと知っている。

氷結オレンジ飲まずにいられない。

ちょっと前に会社を辞めたヤツから深夜に電話が入った。
「なにどうしたのー」
「いや、★の彼女が今ウチにきてるんだよ。★と今日一日全然電話こないし連絡もとれないって心配してるんだよね。そんなこと付き合いはじめてから一度もないんだって」
★くんは、うちの会社の同僚。
「ふーんそれでー?」
「でさ、今会社で★と仲良くしてる女の子っているでしょ?」
「ああ、◎◎ちゃんのことかなー」
「そのコの連絡先とか、わかんない?」
えっ。ちょっとまて。
つまり社内で彼が浮気してるって彼女は疑ってるわけだな。それを同僚のアタシにそうやってバラしてるわけだな。でももし読みが違っていたら、会社でみんなギクシャクしちゃうじゃん。
連絡先は知らなかったし、知ってても教えなかっただろう。役に立てなくて悪かったけど、★の彼女はちょっとばかしワガママで乱暴者だってことを知ってたから、今更心配とかネエダロウ普段からしおらしくしてりゃいいじゃんいつもさんざん振り回しといて、と、内心思わず★の肩をもってしまった。

ただ、彼女のなりふりかまわない気持ちもよくわかる。彼を誰よりも身内として信頼してるからこそ、わけわかんないワガママ言って甘えてるんだよね。肉親にそうするように。強そうに見えて人一倍弱い人なんだろうね。

翌日、★がそっと寄ってきて「なんか電話あった?どこまで知ってるの?」と聞いてきた。
なんにもしらないよ。なんにもきいてないよ。

***
朝、あわてて出勤用意をしてたら突然なにかがぽっきり折れた。
気休めの言葉なんかいらない。sayonara。