駅地下のオアシス

izumi_yu_ki2004-05-19

給料入ったから今日は奢らせてと言うからいそいそと新宿まで出かけて頼んだのはホイル包みハンバーグでもなく刺身でもなくアイリッシュスタイルのビヤホールもなくJR地下の立ち飲みビヤカフェの生ビールだったよ。

エビスの黒を呑まずにいられない。いやなに、心意気こそすばらしいご馳走だ。さんきゅプーさん。

その店は10年近く前に見つけた。当時からオーガニック的なものをコンセプトに据え、全粒粉のパンとか無添加ソーセージを売っていたが、見た目それほどパッとせず、育ち盛り働き盛りには量も少ない。おまけに席はカウンター主体で、テーブルは小さくしかも隣との間隔がすごく狭い。地味さと窮屈さが客足を渋らせていたのかもしれない。しかし、そこで飲む注ぎたてのピルスナーはすばらしくおいしかった。

ちょくちょく使っていたのだが、その後、引越ししたり転職したりで、しばらく足が遠のいていた。最近、ちょっとしたきっかけがあってしばらくぶりに店へ。

狭さと雰囲気はまったく変わらないが、なんだかとても繁盛している。メニューは日替わりのつまみやオーガニックパンの種類も増えてにぎやか。昼間からビール飲む人、コーヒーとカレーの人、立っている人座っている人、みな不思議とゆったりした表情だ。今になって世間の価値観が店に追いついたのだろうか。なんにつけ、駅地下の片隅でぎゅうぎゅうになりながらもニコニコと寄り合っている情景は、せちがらい都会で頑張っているっていう大人の連帯感を感じて、ちょっと微笑。