ああ吉野家や吉野家や

izumi_yu_ki2004-02-10

すぐ再開するんだろうから踊らされるのもアレだしと無視のふり続けていたけど最終日ともなればやっぱし一口食べたくなって三宿交差点までチャリ疾走させてガラスドアの赤いボタン押してなだれこんでひとこと「並つゆだくと卵ください」。

あつい茶を飲まずにいられない。きょうの気温は真昼で摂氏8度。

丼をおもむろに覗き込めば、ぴらぴらの長いウシっ切れがヒネリをきかせ、玉ねぎが3ひら、4ひら。心なしか、いつもより痩せているように思える玉ねぎ。最後に肉だくさんにしてくれてありがとう神サマ吉野家サマ。

紅しょうがの黒い箱を開けると、ほとんど中身がない。もうじき販売停止だからと、紅しょうがまで補充しないつもりなのだろうか。トングをぐいと握り、酢に手をつっこまないようにしながら四隅に残る赤い奴をつまみだす。3回でやっとスプーン一杯。

もうねぎだくなんて流行らない。最近はつゆぬきが旬なんだろうけど、今日ばかりは時代おくれの食べ方でいかせてもらう。すなわち、つゆだく。そして生卵つき。飯は褐色の肉つぶを表面に浮かせ、つゆと卵を吸い込んでどろっどろ。丼を持ち上げ、下衆な味を一気に掻き込む。きょうはおしんこ、いりません。味噌汁も、いりません。ぴらぴら肉とドロドロ飯とウマウマ汁と生卵の四位一体をしょうがで締める。これ至福の喜び。

今度食べられるのは、いつだろうなあ。倒産しなきゃいいなあ。カレー丼も焼き鳥丼も豚キムチ丼も、ぜんぜん食指が伸びない。せいぜい納豆定食ぐらいかな。あれは、人の少ない時間にこっそり食べてみたいけど。