ぼよんぼよんな地面

1週間もこんな感じだったゆえ、ベッドでぼんやりテレビ番組をみたり雑誌を読んだりする時間が普段より増して多くなった。ディスプレイごしの情景が本物なのか、最近は疑うことしばしば。でも、アスリートの勇姿や、見たことのない美しい秘境は、インチサイズをこえて心に響く。

数日前偶然みたのは、ふわん、ふわんと表面が揺れる緑の地面。苔の厚い層が池のように広がっている場所らしい。頼りなく、でも上を歩くたび心地よく揺れる。毛布のようで、いかにも心地よさそうで。

きょう手に取った、トウが少し立ったかつての乙女たちが読む漫画雑誌の1篇。冬の間、客がほとんど入らない山道の一角に、誰も踏んでいない無垢の落ち葉。ばふ、ばふと足を突っ込めばカサ、カサと優しく応える情景。

むかしむかし、根拠のない自信と分厚い白紙ノートみたいな未来を抱えていた頃の、空気の肌触り。きこえてきたクレッシェンド&デクレッシェンド。


しばし目を閉じ、おもいを巡らせる程度の時間の無駄は、許してもらえるだろうか。迷いすぎて走りすぎて疲れてしまったので。