覚え書きサスーン・ルーム202

大事なものを失った時ぼくの心も胃も肝臓もその容量いっぱいにとっ散らかって暴れまくり部屋も比例するように足の踏み場なくとっ散らかる。


携帯を命綱みたく握りしめてしがみつきなんども朝日と夜空をやり過ごし鉄の味するくちびるを味わいつくした頃やっとぼくはベッドから起きあがることができた。


そして足もとに累々と積まれた洗濯物と丸い綿ぼこりと日常をひとつずつつまんで片付け床がみえた頃やっと宿題があったことを思い出した。


いまぼくの部屋は角にまだ取りきれないほこりが溜まってるし床も磨き上げちゃいないけど、なんとかいつでもお客さんを招き入れることができるぐらいには整理できた。

あしたぼくのベルを鳴らしてくれる誰かが来ても大丈夫。