陽のあたる大通りを動揺することなく歩いてみたい

すっかり乙女の風情も失せた女だけど野良猫みたいな臆病気質でこんな年になっても大きな街道にうっかり迷い込んでしまうとあわてて我を忘れ長くも細くもない足をタイツに包んでにょっきりとピエロの如く剥き出してそれだけで場を持たせる内容の無い小芝居を打つ窮地こそニッコリ大人らしい微笑をうかべ痩せ我慢してでも何ともないヨと唇から優しい言葉を放ちたいのに。

うがい代わりにガブガブとほうじ茶のまずにいられない。乾いた冷たい空気が、スタッフたちの喉を攻撃し、つぎつぎと赤い顔をマスクで覆う病人たちを増やしている。

ピンチこそチャンスって誰が最初に言ったのかしら。新しい町へ過剰にすり寄り、どんちゃん午前様のあげく貴重な日曜日を一日中ベッドの上で消費することになった。会社に出ればトラブル続き、変なタイミングでアドレナリンがどどーんと出てしまって仕舞いには後輩に同情される始末。

どこにいっても、なにをしても、落ち着かない。舞いルームでさえ自分の部屋という感じが薄れている。心をどこか遠くのほうへ放り投げてしまったようで。