キリンジ新譜「happy birthday to everyone」購入

もちろん名曲。10月早々に誕生日を迎える友人に、この曲をプレゼントしようと思っているぐらい、安心して勧められる“ポップ・チューン”であることは間違いない。
が、打ち込みで煮詰めた楽曲ゆえのひややかなノリを感じると、熱くなった体も若干さめてしまう。それは10月25日発売予定の次曲「タンデムラナウェイ」(kiki kirinjiで先日初聴き)でも感じられる。


冨田氏がいなくてもやっていけることは、誰ももう疑わないとは思う。思うのだが、兄樹あるいは馬氏の打ち込みはどうしても平面的な印象を受けてしまうのだ。コード進行がどうの、音の積みがどうの、フレージングがどうの、というレベルじゃない(そんなところは二人ともじゅうぶんハイ・クオリティ)。


やはりキリンジには「俯瞰の目」を借りてほしい。彼らの、真っ暗なメランコリィを内包した陽気な文化系バブル・フォロワーという妙ちくりんな立ち位置を面白がって腕くんで眺めまわす、ちょい年上オヤジに、いじってもらいたいものだ。


それにしても「ポップ・チューン」という宣伝文句も、どうにかならんかのう。
いなたすぎて、タマランです。