トチりを楽しむホリゴメフリーク

意地悪な耳で聴いてしまうと、あれれと思うこともいくつかあった。

序盤から嬉しそうにトーキンモジュレータを使いまくるホリゴメ弟。相変わらず美しい声(とくにファルセットは神)。が、中盤をこえる頃まで地声の高域が苦しそうだった。いつもこんなもんだったかしら。

歌詞のトチりは、もはやデフォルト。前半にはドラムスのリズムがスッポ抜けたり、中盤のコーラスでは音が外れたり(しかもおそらく外れたのは兄だけでなくハモリのエキスパート・真城めぐみ嬢だったり)もして。拙の位置(B6列中央付近)だと左右のスピーカーの音が回りまくっていたし、なぜかキーボードがやたらデカく聞こえすぎてソロピアノもオルガンもちょっとうるさかった(すばらしかったのだけど…)。

無理もない、野音のようなステージではモニター音がひどく聞きづらい。自分の生声さえ拡散して聞こえないだろうに。しかも難しいんだし、キリンジの曲ってば。


彼らの作曲法はよく知らないけど、コード弾きしてメロ作って、その上でもいちど別のコードを当てているような感じがする。ゆえに難解。これに生演奏でメロディを乗せる堀込弟、それはそれは難儀だろう。その上ハモったりアドリブやったりするんだから、そりゃ完璧にしろってほうが無茶かもしれない。

そんなこんなで毎回どこかしらで演奏のたわみを起こすキリンジバンドだが、今やそれもご愛嬌。