イギリス民謡をテルミンで

テルミン教室の同期を見習って、朝の自主練を始めた。

たった数分だが、なかなかいい気分。音程跳躍のうまくいかない箇所、あるいはビブラートが美しくかからないポジションを、目の前に姿見をドンと置き、ポーズを確認しながら練習。鏡を置き、時々録音しながら客観的に演奏をチェックすると、自分の欠点がよく見えてくる。だんだん体がアンテナ側に傾き、手が下がってくるために音が狂ってくるようだ。美しくビブラートをかける方法も、鏡を見ながら根気強くマスターしていきたい。

TSUTAYAで探し物をしていたら、イギリス民謡のCDを見つけた。そこで「夏の名残のばら」という曲を知った。歌詞も切なく、メロディも、ひえた美しさに満ちている。テンポもゆったりとしているので、テルミンに合いそうだ。

楽器に少し習熟してくると、珍しい曲を演奏してみたくなるものだ。「夏の名残のばら」をレパートリーに加えてみたいなぁと思った。


(訳)
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それは ただひとり咲き残っている夏の名残のばら。
優しい仲間たちはみな色あせて散っていった。
恥じらいを交し合い、溜息を分かち合うべき血縁の花もなく、
ばらのつぼみも見つからない。

お前だけ残してはおくまい。
枝の上で朽ち果てる、ひとりぼっちのお前を。
仲間も今は眠っているのだから、
お前もまた往きて眠れ。

わたしは優しくお前を手折り、
花びらを花壇のあちこちに散らそう。
この庭の仲間たちが香りも失せて散り敷く そのあたりに。

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最後まで残ってしまったバラの花になりそうな。