ナポリタンをスプーンで食べてみよう

それにしてもコンビニの姉さん、なんで箸でもフォークでもなくスプーンをつけたのだろう。パッと見、ピラフかカレーと勘違いしたんだろうかバカやろー、とプンプンしながらも、術なく食べ始める。

ピラフは難なく掬えた。しかしチキンカツは一切れがスプーンよりも大きく、ドミグラスでウエットになっているので滑って拾えない。やっと窪みに乗っけ、急いで口に運ぶ。下あごを突き出し、前かがみになってカツを食らう姿は、乙女にはあるまじき姿だ。

次にナポリタン。ブツブツちぎれていればいいものを、まったく(無駄に)普通の長さのパスタ。しかもこれまたケチャップですこぶるウエット状態。これをスプーンでどう食らえと・・・。

しばし考え、意を決して(おおげさ)スプーンの側面を垂直に当て、ナイフのように長いスパを切り刻んでいった。スパスパ。芯のないスパは簡単に切れていく。スパスパ、スパスパスパ。ピラフの上にずり上げながらできるだけ細かく刻む。そしてピラフと混ぜて口に運ぶ。洋風そば飯のようだ。

なんとか完食したが、ごはん食べたーという満足感は得られず、割り切れなさで腹をいっぱいにして溜息をつく。弁当をいつもスプーンや幼児用みたいなフォークで食べるお嬢様たちは、トルコライスも優雅にスプーンで食べられるんだろうか。アンビリバボ。