だめんずからクロスカウンターくらった女

身も心もナイスな男に出会うことは日常至難だが、へなちょこなら目をつぶっていてもぶち当たってしまうものだ。ある友人が関わってしまった男(37歳)も、割とグッドルッキングなれど実は内面が超へなちょこだったと彼女は嘆いていた。


夕飯ついでに軽く飲もうってメールがたまたま予定のない夜に来て会ったものの、誘ってきた男は店のアタリもつけていなかった。友人がなんとか店を見つけて落ち着いたが、喋る内容は他の女の子の話。「昼間に女の子の部屋に招待されて行ってきたんだけど、なんで一人暮らしの部屋ってあんなに散らかってるんだ?**歳だからか?信じられないネ僕は」と同じく一人暮らしで**歳の友人に、のたまった。そしてアルコールに弱いのに、飲めばピッチは早まるばかり。


軽く3時間を過ぎ、割り勘でやっと店を出た後、酔えず腹も空いたままの友人がとっとと帰ろうとすると、それを引き留めるように突然スーパーに飛び込んで酒を買い込み、商店街の横っちょに座り込む。フタを開けて友人に酒をすすめるがほとんど自分で飲み干し、その勢いで公衆の面前なのにベタベタとまとわりつく。


なんとか振り切って帰宅した翌日、友人の携帯には「やっぱりもっと一緒にいたい」「駅前のガストにいま入ったから来ない?」(←深夜に女をガストへ誘う男・・・)「さびしいよー」(重ねていうが37歳)と深夜から早朝にかけての受信メールが累々と溜まっていた。最後にゃ「きてよー!」と絶叫文面。ゾーっとした友人は、返信を絶った。なのに「この間は楽しかった」「きょうソバでも食べに行かない?」と連絡は続き、しまいに「無視はつらいよ・・・」「どうしたらいい?もう連絡しないほうがいいのかな(泣)」と泣きを入れたり伺いを立ててくる始末。


好きと言った覚えもなく付き合ってもいないのに迷惑千万察してくれよと眉間に皺を寄せつつも友人は「もう会いません」とていねいに返信した。これで終わる、と安心したと思いきや、すぐ後に「それでも、ね。好きな気持ちは止められないもんだよ」とな。


突然の座り込みやストーカーめいたメールは、無邪気な青春男子を演出したものだろうか。その後、自分で送信したメールを読んで反省したらしいが、それは許してもらえてる、といまだ思い込んでいるふしがあるという。


あぁ、痛い。関わっちゃった友人も、自分の「駄目んず度」に打ちのめされて心が痛いと言っている。そうだね、そうだよね。