保持することの難しさ

めでたく(たぶん今期唯一の)金メダルを獲得した荒川選手は、同じポーズをとりながらスイーと氷上をすべるスパイラルを決める時、「好きな言葉を唱えなさい」とコーチにアドバイスされたそうだ。3秒間、Y字バランスをとりながら彼女が選んだ言葉は「ワンアイスクリーム、ツーアイスクリーム、スリーアイスクリーム」。

証明写真やプリクラ、レントゲン撮影の時、止まろう止まろうと思うほどビクッと体が動いてしまうことは、誰でも経験があるはず。「じっと保つ」とは、なんと大変なことだろう。あのスパイラルも、簡単そうに見えるがモーむちゃくちゃ難しいに違いない。

演技は3回転ジャンプコンビネーションがなく地味だったかもしれない。演技も他選手よりアッサリだったかもしれない。でも、得点にならないといわれる“イナバウワー”をはじめ高度なスケーティングを決めた彼女は間違いなくナンバーワンだ。スパイラルの女王だ。

ばんざーい。